Artist Statement - Traveling the World (世界を旅して)
デニースの作品は、写真、絵、旅に対する愛が反映されており、彼女独特の創造性を持つレンズを通し、ふるいにかけられた日常生活の疑似現実をグラフィックスに取り込んでいる。都市景観やそこに住む人々に魅了された彼女は、建築要素や都会生活の騒がしい模倣により、彼女の世界へと私達を惹き付ける。その世界とは、都市要素が変わった角度にアレンジされたり、スケールも不規則だったり、必ずしも実物そのものというわけではない。数多く頻繁に世界を駆け巡り、その経験から着想を得たデニースの風景画は、見たらすぐ分かるのだが、何か非現実的でもある。
デニースの作品作りの行程には、写真の不正加工、アクリル画像転写、手で重ね合わせた混合媒体要素、その他画期的な技術が含まれる。様々なスケールで行なうため、グラフィックなもの、現代的なもの、何かまだノスタルジックなもののパネルを作る。彼女の作品は白黒が多く、最小限に色のアクセントがつくものの、色がたくさんあるものもある。彼女の視覚的な言葉はいつもユニークで確かなものである。
現在進行中の風景画シリーズのタイトルは「Traveling the World」(世界を旅して)。デニースにとって非常に個人的なもので、大好きな場所に敬意を表している。大部分は都会のシーンで、溢れんばかりのシティライフが含まれている。時間が経過すると共に更に物語のようになり、題名と合わさり、アーティストの頭の中を垣間みることができる。デニースのユニークな世界を眺めていると、臆面もなく覗き見をしているようで、頭の中で自分達の物語を作ってしまいそうになるのである。
多くの写真を一つのイメージに取り込む。デニースが旅で訪れた都市に対してユニークな印象を提供している。旅をする者しか捉えることのできない都市景観、ありふれた日常なのだが本質的な要素を強調している。生活、呼吸、進化する都市のエコシステムを作る要素。
デニースの作品は、ずっと長く見ていられ、それでも新しい発見をすることができる。